小三、雨の日のあの景色
小さな私。助手席はいつも兄に譲らない。
ハンドルを握り集中する母の横顔。
フロントガラスを強く打つ雨。最速で動くワイパー。
オールディーズミュージックが流れる。地面にはヘッドライトの照り返し。
小3の9月〜12月の3ヶ月、毎週金曜のお楽しみ。
単身赴任の父が住む街まで車で2時間のドライブ。
途中の小さな街にある商業施設が好きだった。夕飯とクレープを食べるのが楽しみだった。
何度も繰り返されたはずなのに、鮮明に残るのは雨の日の光景だ。
なぜこれほど強烈に記憶に残っているのは分からない。