依存症記念日
私の頭はあれに似ている。ヴェルタースオリジナルの甘い飴。中身がとろけるあの飴。
頭蓋骨で守られ何とか型を保っていても、中身はドロドロ。
溶けきって正しく機能していない。
昔からうっすら分かってた、頭の何かが正常じゃないって。
友達には出来る普通の生活が、私には何故かとても難しいってね。
自活を初めて10年。
自分の弱さに蓋をして、綺麗で完璧な自分を演じた。
かつて思い描いた大人像に近づこうとして、誤った道を進み続けた。
身の丈に合わない生活を無理をして続けたのは、小さい世界で小さい優越感に浸りたかったからだと思う。
靴底はゆっくりゆっくりすり減った。今、ヒールが折れる音がした。
もう認めよう、私は依存症。
一昨日気づいた。まだ病院は行ってない。
でも紛れもなく私は100%、依存症。
進行性の病気なんだって。一人では治せないってさ。
一人で抱え続ければ、いつの間にか家族にしがみつき巻き添えにしながら沈むらしい。
弱さを認める時が来た。
恥を忍んで人様の力を借りるときが来たんだ。
家族を困らせたくない。家族は救命浮き輪じゃない。
家族から安らげる生活を奪わないとここで誓うよ。
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今の私が「誓う」だなんて。
ふふ。なんて胡散臭いんだ。
消そうと思ったけど、まあ残しとこうか。
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